| 月と花火と恋愛模様 02 |
何を唐突に、理不尽な。上級生に憤りをぶつける時間と言葉はいくらでもあったはずなのに、財前は部活が終了するまで結局金色に何も伝えることができなかった。それを当然見越して金色も終始笑顔で一氏とダブルスの練習に勤しみ続ける。事情を知った千歳は笑っていたが、白石だけは微妙に心配していてくれたらしいことを知って、それだけがこの部活の良心だと財前は思った。 「良心っちゅうか、多分あれはお前の心配やなくて向こうの心配やと思うで」 「同じです」 「いや、ちゃうやろ。お前は多分ネタにしか思われてへん」 「同じですって。ていうかネタ担当は先輩ですから俺に振らんといてください」 「なんでやねん」 慰めているのかからかっているのか、相変わらず分からない忍足の囁きは聞かなかったことにする。どれだけ聞き流そうとしても融通がきかないので強引に会話を終了させれば、助けてやらへんでーと頼りない声が後ろから飛んできた。そもそも忍足に助けられた経験とは一体どれを指しているのか、財前には全く分からなかったが。 終業式の部活はそのようにして終わり、翌日夏休み初日の部活もそのようにして始まった。相変わらず金色と一氏は笑ってダブルスのネタを強化しているし、忍足は昨日のことも忘れてただ部活に励む中学3年生になっている。気にかけてくれるのはやはり白石だけのようだったが、その背後に千歳が控えていることが多くて財前は無意識に白石を避けるような時間の使い方をしてしまった。 「なんやねんあいつ、怒ってんのか。通知表悪かったんか」 「財前が無表情なんはいつもんことばい。誰かさんがはらかかせたんやなかか」 「はらかかせ? なんやねんそれ」 「ご立腹ちゅう意味ばい。心当たりは」 「ないで。何言うてんねん千歳」 多分あれは真面目に素直に答えている。苦笑する千歳と真顔で眉間に皺を寄せる忍足を尻目に、財前はただボールを何度もコートに打ち付ける。ぶつけられた反動で上がってくるボールに垂直になるように平面を向けたラケットで叩くだけだから、無駄な力も動きもいらない。ただじっと、頭の中で考え事をしている時には機械的で一律的なこの振動と音が財前は好きだった。 タイムリミットは、今日の夕方だった。財前は昨夜、夕食後にリビングのソファで考え続けてようやく送ることができた一つのメッセージを改めて思い出す。 明日の夜は、と恋人に端的に問いかけたならば、 「夏期講習」 という、学生の本分を当然のごとく突きつけられた。もしやこれは学業を理由に花火大会への参加を免除してもらえるのではないか、とソファから起き上がって携帯電話を見つめた後、しかし、 「6時半までだよー」 こちらの約束の時間を見透かしているような言葉が間髪を入れず届けられて、思わず頭を抱えてしまったことは白石にも金色にも、もちろん本人にも秘密である。 (間に合ってしまうやんか。どうすんねん。いやでも塾から会場までは近くないし、なんとか理由をつけて……) その悩みの答えは、結局ベッドに横になっても夏の朝日に暴力的に起こされても、こめかみを汗が流れ落ちるコートの上に立っても結局用意することができなかった。猛暑ゆえ午後4時で終了となったテニスコートに汗だくのまま立ちすくみ、財前は言葉通り頭を抱える。すわ熱中症かと心配をしてくれたのは小石川だけで、金色たちは鼻歌を歌いながら、金太郎は屋台のメニューを呟きながら、そして千歳は少しばかりの憐憫の情を含んだ笑みを浮かべながら、それぞれ部室へと戻っていく。 ぞろぞろとコートを後にする部員たちを気にすることなくコートに佇み、いつしか座り込んで考え続けていれば、やがて視界中央に水滴のついたペットボトルが現れた。 「せめて日陰に移動するぐらいしてもええんとちゃうか、財前」 「部長」 「別に小春もお前を苦しめたくてああ言ったわけやないし、そこは分かってやってくれ」 小さな笑みは、誰に向けられているのか。相変わらず綺麗に笑うことができる人だと不本意ながら思うが、今日ばかりはその笑みが敵か味方か分かりかねる。とりあえず目の前の餌には釣られてみるものの、ミネラルウォーターを流し込みながら日陰に移動した時には白石の口からため息が零れた。 「せっかくの花火大会やし、お前に彼女もできたことだし。気晴らしをちゃんとしてくれって普通に言えばええだけなんやけど、まあ伝統みたいなもんで。悪いな」 「……」 「なんやねん、その顔」 「いや、伝統やったら部長はもう2回も面倒事に巻き込まれてきたんやな、と」 手間のかかる世話を焼きたがるこの学校の伝統はどうにかならないのかと思うものの、そのおかげで今白石が自分を助けてくれていることもまた事実である。しかも完璧な人生を歩むこの上級生も絶対にその世話の被害者の一人だったのだと想像することは難しくなく、思わず同情の視線を向けると白石は困ったように笑って言葉を濁すばかり。 「アホ、財前。彼女おらんやつには声もかけてもらえへんで、その意味ではこいつは毎年除け者や」 経験者であればこの袋小路から逃げ出す術を教えてもらえるに違いないと、財前が淡い期待を抱いたのはそこまでだった。コートに残っていたボールを集めながら忍足が当然のように呟く。そういえばと財前もようやく思い出す。勉学も運動も部活もその他諸々の学生生活全般においてこの男は完璧に自分の任務を遂行することができるが、こと恋愛に関してだけは千歳にからかわれる毎日だということを。 「……別にどうでもええねんけどな、俺のことはな。なんやったら先輩の謙也に聞いてみたらええねん、経験者で3年連続3回目の謙也くんに」 「いや、それは参考にならないんでええですわ」 「おい、財前! そこは聞くところや!」 3年生レギュラーながらボールを二つ三つと集めて部室に帰る、彼の誠意のようなものは言われずとも分かっていたが、ここで教えを乞うのは非常に癪だった。財前は無表情のまま白石の半歩後ろを歩いて部室へと戻る。後ろから忍足が何かを言っていたが、白石が笑っているのを見ると特別耳を傾けなければならないこともないだろうと勝手に判断した。 それでも、部室をいつもより早く去る忍足に金色が時間を確認していた姿は見つめてしまった。余計なお節介というよりは妙な安心感が漂っていた二人の会話に、忍足の嫌がらない表情に、財前はただじっと見つめるばかり。白石が笑っていたが、その意図を尋ねるより先に金色が財前を見つめ、にやりと笑う。 「光くんにロックオンされちゃってるわ、どうしましょうユウくん!」 「なんや浮気か、財前?!」 着替え途中の半裸姿でもしっかり金色の言葉に反応する一氏の忠節のようなものは認めるものの、聞き捨てならない言葉を吐かれてしまっては褒める気も起こらない。なぜ自分より先に部室に戻ってきたくせに、自分よりも着替えるのが遅いのか。財前は無表情のまま一氏の脱ぎ捨てられていたユニフォームを思い切り顔に投げつけて部室を去る。ちゃんもよと叫ぶ金色にも振り返らず家に帰れば、時刻はまだ午後5時だった。 (なんで監視されなあかんねん。いや、そもそも参加自体自由やったやんか去年は) Tシャツとハーフパンツという身軽な格好に着替えた後、白石からもらったミネラルウォーターを相棒にリビングのソファに座り込む。 その時、唐突に思い出した去年の記憶では、確かに花火大会の誘いはあった。だがあくまでも自由参加で金色からの強引な誘いはなかったこと(しかも白石の500円分奢りという言葉でようやく参加した程度の自分の記憶)を思い出すと、今年は理不尽極まりないと感じて当然だ。しかしそうなると白石の言葉、忍足の記録に関する情報はどう扱えばいいのか。もしかしたら恋人ができた順に囲い込まれているのだろうか、と思い至った時には軽く身震いしそうになった。 「なにしてんねん、あいつ。いつにもまして機嫌悪いな」 休日出勤のなかった兄が、後ろで義姉に尋ねている。事情をどこまで察しているのか義姉はただ笑うばかりだったが、機嫌が悪いという言葉だけはしっかりと財前の耳に届いて余計に億劫な気分が増してくる。 別に、無理をする必要はないと分かっている。素直に「命令」を聞く義務もないと分かっている。もっと言えば、金色も無理強いはしていないはずだった。なぜなら直接集合時間を伝えられたわけでも、夕歌の参加の有無を尋ねられたわけでもないのだ。最後の逃げ道は他の誰でもない財前だけが気づける形で残しておいてくれるのが金色であると、財前が一番よく分かっている。この部活で厄介なのは、もっと空気を読まない男たちの方なのだ。 しかし、財前は結局集合時刻よりも早くリビングのソファを立った。義姉が何事かとキッチンからこちらを覗いていたが、花火大会に行くと言えば何も聞かずに手を振ってくれた。時間が早いと疑問に思う代わりにくすくすと笑っていたのが義姉なりの答えで、冷やかしというよりは声援であると思うようにした。 (連れて来い言うんやったら、連れて行ってやる。逃げるのもアホらしい) 心にそれだけを決めてしまえば、後は動くだけだ。財前は部屋に戻って着替えると、小走りで階段を下りて玄関脇の自転車の鍵を握って戸惑うことなく家を出た。 夏の夕方、花火大会に向かう人の波の中には綺麗な花の咲いたような浴衣姿が目立つ。があれを着ている暇はないだろうと思いながらも、どの色が似合いそうか探してしまう自分は、もしかしたら花火大会に行きたかったのだろうか。金色に全てお膳立てされたような筋書きが少しばかり癪に障ったが、自転車で目的地まで向かえば夕闇前の夏の風が心地よくて苛立つ心もすぐに波打たなくなる。 自分の今の生活にはほぼ無縁の学習塾までそのようにして走り続けている間、携帯電話は何度もメッセージを受け取っていた。信号で止まった際に確認をすれば、なぜか金色の額のアップの写真が送られている。なんでやねん、と呟くと同時に信号は青に変わったため、返信をしないで走り続ければ、目的地は目の前だった。 中学2年の夏期講習が終わるのは、午後6時30分。少し離れたコンビニの前で自転車に乗ったまま片足をつきながら携帯電話で時刻を確認すると、5分ほど過ぎていた。顔を上げれば小さな笑い声とともにドアから何人もの人の姿が現れ、その中にいくつか見知った顔もあった。財前は上がった息を整えながら、ただじっとドアの一点を見つめる。 「、今日花火大会あるやろ。見に行く?」 「うん、行きたい。待って、お母さんに……」 通り過ぎる車の音で全てを聞き取ることははできなかったが、が鞄から携帯電話を取り出した瞬間、財前は慌てて自転車を塾に向ける。 「」 そして整えきれなかった呼吸のまま、周囲に同級生の姿が多く残ったまま。道路と塾の敷地を隔てる白いアーチスタンドに足をかけて慌てて名前を呼べば、は目を丸くしてこちらを見つめた。 「……光くん? どうして」 唖然とするに、財前は小さく手招きして校舎から離れるよう促す。付き合うことに関して目立つことはしたくないという点は一致していて、財前の誘いに戸惑うよりも指示に従うことの方が簡単なは、慌てて親友に別れを告げて自転車の財前の元に駆け寄る。夕闇に手伝ってもらいながら人の流れの多い校舎から離れると、ようやくが財前のシャツの裾を引っ張ってきた。 「夕方まで部活やったよね? いつもなら寝てる時間やのに……」 「小春先輩から呼び出しくらってる」 「え? 小春先輩?」 何事かとはますます目を丸くする。無理もない、1日が終わりに向かっているこの時間帯に、日中出会うべき学校の上級生の名前を耳にする予定を立てるなどという方が無理な話だ。テニス部に関わりのある人間であればさておき、のように財前を介さなければそもそも金色個人とも繋がりを持つことができない者を相手にどれだけの無理強いをしているのか、と財前は改めて金色の満面の笑みを苦々しく思う。 しかしここまでやってきたのは、金色の笑みに頭の中を支配されるためではない。自分のシャツの裾を掴んでいたの手を握り、財前は意を決してようやく口を開く。 「花火」 「え? 花火?」 「花火、みんなで行こかって。先輩が」 口にしてようやく自分の本心に気がつく。本当は、二人で出かけたかった。浴衣を着る時間も与えたかった。自転車を飛ばしながら抱いた苛立ちは、本当は金色相手ではない。開始時刻ぎりぎりまで、自分の言葉で誘い出すことができなかった不甲斐ない己自身に対してだった。 けれど金色やテニス部を言い訳にしなければ家で義姉や母の質問攻めにあっただろうし、も塾の帰りが遅くなることを家族に伝えられない。金色小春とテニス部という響きは、四天宝寺中学の者にとって一種の魔法だ。保護者ですら褒めそやし、関わり合いを喜ぶ。 「……ええの? 私が行っても」 その証拠は、今目の前にある。の表情が怪訝や不安を浮かべたものから、みるみるうちに歓喜の色へと変わる。その反応に、財前は改めて金色の「囲い込み」の理由を悟る。 上級生の威厳を借りなければならないとは情けない、とは言わなかった。保護されている立場は恥ずかしいとも思わなかった。彼らなりの誠意に感謝の気持ちを口にすることはできないが、心で受け止めるぐらいならば財前でもできる。それを見越しての白石だった、それに甘え続けた3年間の忍足だったと思えば、初めての自分がその権力の傘下に入ることは決して抗うことではない。14歳になったばかりの自分に一体何ができるというのか、と改めて自分の子どもっぽさにおかしくなりながら喜ぶを見つめていると、「じゃ、光くんもついてきて」と突然話の筋を変えられた。今度は財前が目を丸くする。 「……は? どこに。7時に待ち合わせしとるんやけど」 「だって花火大会だよ? 着替えなきゃ!」 塾のテキストの入ったカバンを握りしめながら、珍しく意気込んでが宣言する。どこに、と問わずとももう行き先は知れていた。突然の自転車の方向転換に慌てるのは財前だけで、はむしろご機嫌で財前が辿った道とは異なる帰路を進んでいく。 やがて大通りの喧騒から離れた住宅街にたどり着いた時、空は打ち上げ花火が近づいてくるのを待つばかりといった深い藍色に姿を変えていた。夏休みは夏の始まりでもあり、夏至より1ヶ月以上経った秋への下り坂でもある。外の部活をしていると、太陽が顔を出す時間にはやや敏感だ。蒸し暑さを残しつつ、けれど太陽が隠れるのは早くなっていくこの時間帯は、盛夏の装いの中に晩夏の香りが漂っていてやや人肌が恋しくなることを、財前は今年になって初めて知った。 そして満面の笑みのの母親に無理やり家の中に入れられ、落ち着かないリビングで無理やり待たされる。そして無理やりお茶を飲まされ、無理やり寛がされているうちに着付けを終えたが戻ってきた。 「……」 「え、駄目? お店で見て一目惚れしたんやけど」 沈黙する財前に、は眉を曇らせる。薄い菜の花色の浴衣生地の上を、瑠璃色の朝顔が緑青の蔦とともに自由に咲き誇っている。その浴衣は本当によく似合っていて、思わず言葉を飲んでしまったことはきっとの母親にだけばれていただろう。の見えないところで必死に笑いを堪えている姿は義姉とまるで同じで、自分たちがいかに大人の手のひらの上の存在かを思い知る。 菖蒲色の小花が散りばめられた巾着を持つ姿がますます可愛らしく見えたことは、なかなか本人には言えなかった。赤い鼻緒の下駄をはく際に、手伝って手を伸ばせば笑ってお礼を口にするのはなものだから、余計に言葉が出なかった。 そして待ち合わせの時間を20分ほど過ぎた、花火が始まる10分前。恐る恐る集合場所に向かってみれば、遅刻を謝罪するよりも早く金色の顔が輝いて両手を頬に当て、財前の代わりにを絶賛し始める。 「アタシの品行方正という武器はこういう時のためにあるのよ、ああなんて後輩思いの先輩なのかしら! ちゃん、親御さんに何か聞かれたらアタシが全部説明してあげるからね、心配しないでね! 光くん、アタシの写真残してあるわよね? あれ証拠品よ、削除しちゃダメよ!」 の浴衣姿を褒めちぎりながら、自分を褒め称えることも忘れない。しかしそれに値するだけのことはこなしていると、後ろで笑っている白石が証明している。 しかし、そんな完璧に見える金色にも唯一誤算があったらしい。 「大丈夫です、お母さん何も心配してへんって」 にこにこと、巾着の紐を両手でそっと握った慎ましやかに見える格好で、はさらりと金色と一氏の目が丸くなるような発言をする。の隣で話の成り行きを黙って見つめていた財前も一瞬固まり、慌ててその小さな口を手で押さえようとした時には時既に遅し、 「うちのお母さん、光くんのこと好きなんです。光くんが送って帰ってくるならそれでええって」 白石と千歳が吹きだしそうになるのを、は気づかない方がいい。金色と一氏が言葉をなくしているのを疑問にも思わなければそれでいい。石田がぽつりと「上出来ではないか」と呟いたり、小石川がやや涙目になっていたりすることも聞こえぬふり、見て見ぬふりをすればいい。自分の彼女とりんご飴かいちご飴でもめている忍足など視界の外に追い出しておけばいい。 沈黙の中、一身に集まる視線に財前が耐え切れなくなる頃には、夜空に大きな音を立てて花火が上がり始めた。 「綺麗やな、小春」 「綺麗ね、ユウくん」 藍色の夜空に輝く花火を全員が見つめる。哀愁なのかよく分からない表情を浮かべる金色に千歳は笑いながら金太郎を探しに行き、その間に白石は財前にそっと「行ってこい」と手で合図をした。 が戸惑うよりも早く、財前はの手を握って流れが停滞し始めている人混みの中を進む。光くんと自分の名前を呼ぶ声が聞こえたが、花火の音に負けて聞こえないふりをした。握る手の小ささや自分とは異なる体温の温もり、そしてわずかに耳に届けられる下駄の音。白石たちとの距離ができたところで振り返れば、額に小さな汗の粒を浮かべたが不思議そうにこちらを見上げてくる。 「一緒やなくてよかったん? 待っててくれたんとちゃうの? 先輩たち」 「一緒やなくてええ言うたんはやん……」 なんのこと、と慌てるの後ろで大きな朝顔の形をした花火が上がる。今日一番の大きさの花火に二人で空を見上げ、やがてが財前以外の存在を忘れるように夜空を見つめる様を、財前はその隣で黙って享受する。そして少しだけ反省する。金色を黙らせることができるほどの気概を自分も持たなければならないのだと、真夏の夜に誰に知られることもなく決意する。 唯一の証人である握りしめた手の温かさは、彼女を家に送り届けるまで財前の手から離れることはなかった。 |
| 21/07/20 |